ライアン・ガンダー展が箱根のポーラ美術館で5月31日より開催|新作も多数公開

「ライアン・ガンダー:ユー・コンプリート・ミー」展

国際的に高い評価を受ける英国のアーティスト、ライアン・ガンダーの展覧会「ユー・コンプリート・ミー」が2025年5月31日(土)から11月30日(日)までポーラ美術館で開催されます。日本初公開となる最新作や本展のために制作された新作など、全18点の作品が箱根の豊かな自然の中で展示されます。



ライアン・ガンダーとは

ライアン・ガンダー

ライアン・ガンダー

1976年にチェスターに生まれたライアン・ガンダーは、現在ロンドンとサフォークを拠点に活動しています。絵画、彫刻、映像、テキスト、VRインスタレーションから建築、出版物、パフォーマンスまで、多岐にわたる表現方法を駆使し、芸術の枠組みやその意味を問い直す作品で国際的な評価を確立してきました。

自身を「一種のネオ・コンセプチュアルであり、特定の様式をもたないアマチュア哲学者」と称するガンダーは、日常に潜む物語や多層的な意味を知的な遊び心と鋭いユーモアで表現することで知られています。2017年には現代美術への貢献により大英帝国勲章OBEを受勲し、2022年には英国美術界の権威であるロイヤル・アカデミーの正会員(彫刻部門)に選出されるなど、その実力は国際的に高く評価されています。

日本でも東京、大阪、岡山、福岡など各地で展覧会を開催し、高い人気を誇っています。2022年には東京オペラシティアートギャラリーでの展示も記憶に新しいところです。


展覧会「ユー・コンプリート・ミー」の見どころ

今回の展覧会「ユー・コンプリート・ミー」では、ポーラ美術館のアトリウムギャラリー、展示室4、ロビーなど館内のさまざまなスペースで全18点の作品が展示されます。ガンダーの作品世界を存分に堪能できる貴重な機会となるでしょう。

日本初公開の最新作と新作

 

You Complete Me, or I see things you can't see (A Frogs Tale), 2025 Courtesy the artist and TARO NASU, Tokyo. Photo: Ryan Gander Studio

You Complete Me, or I see things you can’t see (A Frogs Tale), 2025 Courtesy the artist and TARO NASU, Tokyo. Photo: Ryan Gander Studio

展示される作品の大半が日本初公開の最新作であり、本展のために特別に制作された新作も多数含まれています。「アートの目的はコミュニケーションではなく、触媒として曖昧さを提供すること」と語るガンダーの現在地を体感できる展示となっています。

Centred on the periphery, 2023 Courtesy the artist and TARO NASU, Tokyo. Photo:Misako Misako

Centred on the periphery, 2023 Courtesy the artist and TARO NASU, Tokyo. Photo:Misako Misako

人間の言葉を話すカエル、読めない時計や仮想の国旗、ある兄弟の偽りの歴史など、ガンダーの作品は極めて具体的でありながら、捉えどころのない神秘に満ちています。作品の意味は固定されておらず、鑑賞者の解釈と連想のプロセスによって、出会いのたびに新たな物語が創造されるのが特徴です。

家族との関係から生まれた作品

ガンダーの作品には、家族との関係や思い出が反映されているものが多くあります。「アニマトロニクス」シリーズには、まだ幼い彼の子どもたちの声が使用されています。長く難解な文章をきちんと読み切る子どもたちと作家の間には、どのような信頼とコミュニケーションがあったのでしょうか。

また、地名の綴りをそのままカンヴァスに写した絵画作品は、各地で撮影した写真の整理のため、ガンダーの父親が記した手書き文字を抜き出して描かれています。家族との関係や思い出が、アート作品として新たな位相を見せる点も注目です。

箱根の自然をモチーフにした不思議な動物たち

シカやイノシシ、鳥、リスやムササビなど、豊かな植生を誇る箱根の森には多種多様な動物たちが暮らしています。ガンダーは今回の展覧会のために、箱根の自然をモチーフにした新たな動物たちを創作しました。

館内のさまざまな場所に「棲みついた」これらの不思議な動物たちを探す楽しみも、本展の大きな魅力となっています。生命や共生について考えさせられる、箱根の自然環境と呼応した作品群に出会えることでしょう。


『ライアン・ガンダー:ユー・コンプリート・ミー』展の詳細情報

会場
ポーラ美術館 アトリウム ギャラリー、展示室4、ロビー ほか
会期
2025年5月31日(土)〜11月30日(日)※会期中無休
開館時間
9時〜17時(入館は16時30分まで)
入館料
大人2,200円(シニア含む)/大学・高校生1,700円/中学生以下無料/障害者手帳を所持の方と付添者(1名まで)1,100円

また、展覧会に合わせてポーラ美術館でしか入手できないオリジナルグッズも多数用意されます。作家のアイコンとなっている「あの」グッズや、作品をモチーフにした驚きのアイテムなど、ファン必見の商品が並ぶ予定です。


ポーラ美術館について

ポーラ美術館は2002年に「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに神奈川県箱根町に開館しました。印象派から20世紀にかけての西洋絵画を中心としたコレクションを核とする展覧会を開催する一方で、現代美術の第一線で活躍する作家たちの作品も収集・展示し、同時代の表現へと展望を拡げています。

富士箱根伊豆国立公園という立地を生かした森の遊歩道では四季折々の豊かな自然を楽しめるのも魅力です。美術鑑賞と自然体験を組み合わせた一日を過ごすことができる、特別な空間となっています。


国際的に活躍するアーティスト、ライアン・ガンダーの展覧会「ユー・コンプリート・ミー」が2025年5月31日(土)から11月30日(日)までポーラ美術館で開催されます。日本初公開となる最新作や本展のために制作された新作など、全18点の作品が展示される貴重な機会です。

箱根の豊かな自然をモチーフにした不思議な動物たちの作品や、家族との関係から生まれた作品など、ガンダー独自の知的な遊び心と鋭いユーモアに満ちた作品世界を体験してみてはいかがでしょうか。

Cover Photo : Closed systems, 2024 Courtesy the artist and TARO NASU, Tokyo. Photo: Ryan Gander Studio

 

Link

https://www.polamuseum.or.jp/sp/ryan-gander/

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