ウェールズと日本の絆を伝える展覧会「Shared Roots, Shared Futures」が在英日本大使館で開催中

「Shared Roots, Shared Futures」

ウェールズと日本の文化交流を記念する展覧会「Shared Roots, Shared Futures」が、2025年12月9日(火)から2026年1月16日(金)まで、ロンドンの在英日本大使館で開催されています。両国の創造性やつながり、歴史的な絆を伝える4名のアーティストによる作品を無料で観覧できます。




「Shared Roots, Shared Futures」展の概要と開催背景

「Shared Roots, Shared Futures」展は、2025年に実施されている「Wales and Japan 2025」キャンペーンの集大成として企画された展覧会です。ウェールズ政府とブリティッシュ・カウンシル、ウェールズ・アーツ・インターナショナルが連携し、1年間にわたる文化交流プログラムを展開してきた両国の絆を、視覚芸術を通じて祝うものとなっています。会場は在英日本大使館(Embassy of Japan in the UK)内で、住所は101-104 Piccadilly, Greater, London W1J 7JTです。

自然への敬意や職人技への愛、持続可能性への取り組みといった共通の価値観を持つ両国は、産業・教育・芸術の分野で長年にわたり交流を重ねてきました。本展では、ウェールズと日本のクリエイターがこれらのテーマを表現した作品を展示し、歴史でつながれたふたつの文化が対話する現代の姿を紹介しています。



展示アーティストと作品の特徴

本展には4名のウェールズと日本に関わるアーティストが参加し、それぞれ独自の視点で両国の文化を表現しています。

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  • イラストレーターのジョナサン・エドワーズ(Jonathan Edwards)氏は、日本の駅スタンプ(Eki stamps)の伝統に着想を得て、ウェールズと日本をテーマにした独自のエンブレムシリーズをデザインしました。
  • テキスタイルデザイナーのリオ・ジェームズ(Llio James)氏は、ウェールズの工芸復興を祝う現代的な織物作品を出展しています。
  • マルチディシプリナリーアーティストのマーク・ジェームズ(Mark James)氏は、デジタルファインアートプリント「ANOMALIES」を展示しています。
  • 金属工芸作家の森順子(Junko Mori)氏は、植物など生物の観察をもとに制作された集合体作品を発表しています。

これらの作品は、伝統と現代技術、自然と人工物といった対比的なテーマを通じて、両国の文化的対話を視覚化しています。



ウェールズと日本の歴史的つながり

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ウェールズと日本の関係は19世紀にまで遡り、産業分野での協力が両国の絆の土台となっています。明治維新後、日本に敷設された鉄道の線路の多くは、南ウェールズのマーサーティドヴィルにあるダウライス製鉄所(Dowlais製鉄所)で生産された鉄鋼が使用されました。当時のウェールズの技術革新が日本の交通網形成に重要な役割を果たし、両国のパートナー関係の基盤が築かれたのです。

現代では、日立製作所が製造した高速鉄道がロンドンとウェールズを結び、逆方向の技術交流が実現しています。また、ウェールズは海藻保全活動でも日本と協力し、スタジオジブリへの創作的インスピレーションを提供したり、日本の森林浴(Shinrin-yoku)と呼応する森林プロジェクトを展開するなど、文化・環境分野でも多面的な交流を続けています。



開催日時と入場情報

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展覧会は2025年12月9日(火)から2026年1月16日(金)まで開催中で、平日9時30分から17時30分まで観覧可能です。ただし、2025年12月25日(木)から2026年1月2日(金)までは休館となります。入場は無料ですが、入館時には写真付き身分証明書の提示が必要です。

会場の在英日本大使館はロンドン中心部のピカデリーに位置し、バッキンガム宮殿やトラファルガー広場などの主要観光地からもアクセスしやすい立地です。開館時間は平日10時から13時および14時から15時の領事業務時間と異なるため、訪問前に確認が推奨されます。

両国の持続可能性と創造的未来への展望

本展は単なる歴史の振り返りにとどまらず、両国が共有する価値観をもとに持続可能で創造的な未来を築く姿勢を示しています。2025年の「Wales and Japan 2025」キャンペーンでは、大阪・関西万博でのウェールズデー開催や、文楽に着想を得た人形劇、若者による音楽交流など、多彩な文化プログラムが実施されました。

これらの取り組みを通じて、両国は自然環境の保全、伝統工芸の継承、次世代の育成といった分野で協力関係を深めています。「Shared Roots, Shared Futures」展は、こうした活動の総括として位置づけられ、来場者に対してふたつの文化が互いに学び合い、未来に向けて歩む姿を実感できる機会を提供しています。文化交流イベントとしては中規模ながら、両国の政府機関や文化団体が協力する公式プログラムであり、教育・産業・芸術の多分野にわたる関係強化の象徴的存在といえるでしょう。

 

Link

https://www.wales.com/news/united-kingdom/wales-and-japan-shared-roots-shared-futures

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