- Food
王立演劇学校で上演された『キャリー:ザ・ミュージカル』で、次世代を担う若い才能に出会う

ロンドン在住のフリーランスライター、近藤麻美さんが、英国カルチャーを現地から紹介する連載「近藤麻美のカルチュラル・ウォーク in London」の第17回を公開! 今回は、王立演劇学校で上演されたミュージカル『キャリー』の観劇レポートと、若き才能が集う現場の魅力をお届けします。
久しぶりに王立演劇学校(Royal Academy of Dramatic Art)へ足を運んで参りました。RADAは英国演劇芸術教育における世界的なリーダーであり、俳優、舞台監督、デザイナー、舞台技術専門家向けの職業訓練を通して、次世代の才能を育成しています。

最寄り駅がGoodge Streetなので、ロケーションも抜群
RADAでは、在校生たちが日頃のトレーニングで培った演技力や表現力を実践の場で披露しています。古典から現代劇まで幅広い作品が取り上げられ、観客は未来の舞台・映像界を担う才能たちの瑞々しいパフォーマンスを間近で体験することができます。
ちなみに、卒業生の中には、ジェシー・バックリーがいます。彼女は、先日クロエ・ジャオ監督によるマギー・オファレル原作の『ハムネット』の映画化作品でアグネス役を演じ、ゴールデングローブ賞ドラマ映画主演女優賞、クリティクス・チョイス・アワード主演女優賞、アクター賞主演女優賞、英国アカデミー賞主演女優賞、アカデミー主演女優賞を獲得しました。
今回鑑賞したのは、『Carrie: The Musical』。あのスティーブン・キングの小説が原作です。恐らく、1976年公開の『キャリー』(原題:Carrie)と言えば、一度は耳にしたことがある人も多いかと思います。しかしながら、あのホラー映画をどうやってミュージカルに!?
ミュージカル『キャリー』は映画のストーリーラインに忠実です。物語は、スー・スネルが警察の尋問を受ける場面から始まり、プロムの夜に至るまでの出来事を回想していきます。

RADA内のJerwood Vanbrugh Theatre
キャスト全員が魅力的な演技を見せてくれますが、特にキャリーとマーガレット・ホワイトの母娘関係における緊迫した力関係をみごとに演じたエイヴァ・ドッズワースとビビ・マクドゥガルの演技は特筆に値します。それぞれのソロナンバーも秀逸でしたが、デュエット・シーンは圧巻のエネルギーに満ちていました。
決して大きなステージではないものの、物語の展開に寄り添った巧みな舞台演出と洗練された照明デザインによって、目まぐるしく移り変わる場面転換も非常にスムーズに描かれています。限られた空間を最大限に活用しながら、それぞれのシーンに異なる表情と奥行きを与え、観客を物語の世界へ自然と引き込んでいくのです。
また、RADA公演の見どころ(聴きどころ)のひとつに音楽があります。ステージ下のオーケストラピットでは、今回の音楽監督を務めたSarah Rose Bodalbhai率いるミュージシャンたちがライヴ演奏を担当。繊細な旋律から力強いアンサンブルまで、楽曲の魅力を余すことなく引き出しながら、舞台上のドラマを豊かに彩っていました。その生演奏は俳優たちの歌声や演技とみごとに呼応し、作品の世界観にさらなる深みと臨場感を与えていました。

ホラー映画があまり好きではない私でも、ミュージカル版『キャリー』は本当に楽しめました。残念ながらこのプロダクションの公演は終了してしまったのですが、RADAでは年間を通してさまざまなプロダクションが上演されており、未来の舞台・映像界を担う若き才能たちを応援するという意味でも、足を運ぶ価値は大いにあると思います。チケット価格も15ポンド前後と手頃で、質の高い舞台を気軽に楽しめるのも魅力のひとつ。才能あふれる学生たちの瑞々しいパフォーマンスに触れられる貴重な機会として、演劇ファンはもちろん、ロンドンで文化体験を求める人にもおすすめです。
■近藤麻美
99年に渡英。英国のニュース、海外ドラマ、イギリス生活、食、教育、音楽、映画、演劇、歴史、ファッション、アートなど、英国にまつわる文化の多岐に渡る記事を執筆している。
linktr.ee/mamikondohartley
ご連絡は、mamikondohartley@gmail.comまで。
X:https://x.com/mami_hartley
Instagram:https://www.instagram.com/mamimoonismine
note:https://note.com/mamikondo_london
Link
Sponsered Link
Sponsered Link
Ranking
注目の記事ランキング
- Event
- Food
- Fashion
- Food
- Art


