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スコットランド国際開発庁がヘルステック使節団を日本に派遣、大阪・関西万博で技術力をアピール
スコットランド政府および駐日英国大使館 スコットランド国際開発庁は2025年6月、スコットランド政府保健福祉担当大臣ニール・グレイ氏を団長とするヘルステック通商使節団を日本に派遣。大阪・関西万博でのイベントや医療機器関連見本市への出展を通じて、スコットランドの先進的なヘルステック技術を日本市場に紹介し、両国の医療分野での連携強化を図ります。
ヘルステック使節団の来日目的と参加メンバー
今回の使節団派遣には3つの主要な目的があります。第一に、スコットランドの革新的なヘルステクノロジーの認知拡大です。大阪・関西万博や医療機器関連見本市での講演を通じて、ライフサイエンスとヘルステック分野で注目されるスコットランドの技術力と信頼性を国内外に幅広く紹介します。
第二に、日本との持続可能な関係構築です。パネルディスカッションやネットワーキング・レセプションを通じ、スコットランド企業と日本の業界関係者の間に長期的なパートナーシップを育成します。
第三に、グローバルヘルスケアにおける官民による優良事例紹介です。保健福祉担当大臣ニール・グレイ氏をはじめとする基調講演者が、スコットランドにおける革新的な取り組みとその社会的応用について紹介し、国際社会に対するスコットランドの貢献を広く発信します。
スコットランドのヘルステック分野の強み
スコットランドは200年以上にわたり医療革新の最前線に立ち続けており、世界初の皮下注射器の開発やAIを活用した最先端ヘルステックの実用化を進めてきました。豊かな研究文化と産官学の連携により、欧州有数のライフサイエンス・クラスターを形成し、遠隔医療やリアルタイム健康モニタリングなど、世界的課題へのソリューション開発を推進しています。
使節団の主要メンバー
使節団には、NHS(国民保健サービス)の各地域イノベーション・ハブのリーダーや大学の研究者、企業幹部が参加しています。注目すべきは、キヤノンメディカルリサーチヨーロッパのプレジデントであるケン・サザーランド氏の参加です。これにより、既存の日本企業との関係をさらに強化する機会が生まれています。
大阪・関西万博での「スコットランドデー」開催
スコットランド国際開発庁は、万博期間中に「スコットランドデー」を全3回にわたって開催します。4月17日に開催された最初のイベントでは「ゲームおよび消費者産業」に焦点を当て、6月26日(木)には「ヘルステック」、9月には「洋上風力産業」をテーマとしたイベントが予定されています。
6月26日の英国パビリオンでのスコットランドデーでは、「日本とスコットランドのイノベーションの連携 -共創による未来へ-」をテーマにしたパネルディスカッションおよびネットワーキング・レセプションが開催される予定です。
Japan Health 2025への出展
使節団は6月25日(水)から27日(金)まで開催される「Japan Health 2025」(インテックス大阪)に出展し、スコットランドに焦点を当てたセッション「Scotland as a Global Healthcare Innovation Asset and opportunities for Japanese companies」で基調講演を行う予定です。
注目のスコットランド企業とイノベーション技術
今回の使節団には、スコットランドの革新的なヘルステック企業が多数参加しています。これらの企業は、それぞれ独自の技術で医療分野に革新をもたらしています。
ロボティクス・AI分野
Touchlabは電子皮膚技術により、ロボットや義手に人間のような触覚認識を可能にするロボット工学企業です。この技術は、義肢装具の分野で大きな進歩をもたらす可能性があります。
Konpanionは感情支援ロボット「Maah」を開発し、孤独感の軽減と心の健康向上に寄与しています。高齢化社会が進む日本において、このような技術への関心は高まっています。
医療機器・バイオテクノロジー分野
Nami Surgicalは高精度・低侵襲の小型超音波メスを開発し、ロボット手術への応用が期待されています。iGiiは独自のナノマテリアルを用いた次世代バイオセンシング技術を展開し、医療から環境分野まで幅広く対応しています。
創業150年以上の老舗繊維メーカーJ&D Wilkieは、医療・航空宇宙向けの高性能素材を製造しており、長年培った技術力を現代の医療分野に活用しています。
コミュニケーション支援技術
Talking Matsは言語聴覚士が開発した、視覚的に意思を伝える革新的なコミュニケーションツールを提供しています。この技術は、認知症患者や言語障害を持つ患者のケアに大きく貢献する可能性があります。
日本企業との連携強化に向けた取り組み
使節団は東京でキヤノン株式会社を訪問し、メディカル事業について意見交換を行う予定です。スコットランドに拠点を置くキヤノンメディカルリサーチヨーロッパとの関係をさらに強化し、技術面での協力を推進することを目指しています。
また、駐日英国大使館では「スコットランドのヘルステック・イノベーション・エコシステム」と「スコットランドと日本の協力分野」をテーマに、パネルディスカッション、企業プレゼンテーション、ネットワーキング・レセプションが開催される予定です。
今後の展望
スコットランド国際開発庁は、今回の使節団派遣を通じて、日本とスコットランドの医療分野での協力関係をさらに深化させることを目指しています。特に、高齢化社会への対応や医療技術の革新において、両国が持つ知見と技術を組み合わせることで、新たなソリューションの創出が期待されています。
スコットランド国際開発庁とは
スコットランド国際開発庁(Scottish Development International、SDI)は、スコットランドの経済開発を担う国際機関です。世界30カ所以上に海外拠点を持ち、スコットランド企業の国際展開支援と外国企業のスコットランドへの投資促進を主要な役割としています。日本オフィスは25年前に東京に開設され、これまでに70社を超える日本企業のスコットランド進出を支援してきました。
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