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1920年代の英国ジャケットにも通じる、“今のクラシック”を追求したネイビーブレザー『テムズ』が登場
“英国のストーリーあるライフスタイル”をコンセプトにするBRITISH MADE(ブリティッシュメイド)から、シングルブレザー『テムズ』が発売に。
スタイリスト四方章敬が手がけるブリティッシュメイド オリジナルコレクションに、満を持してネイビーブレザーが初登場。
『テムズ』と名づけられたオリジナルのネイビーブレザーは、“クラシックとリラックスの最適な融合”をテーマに開発がスタートしました。
目下、久々の紺ブレブームに沸くファッション業界。その影響でかつてないほど多くのブランドから紺ブレが登場していますが、それらは概して、昔ながらのスタイルを忠実に踏襲したトラッド系、イタリア仕立ての影響を受けたドレス系、ルーズフィットなデザイナーズ系の3種類のみ。でも僕としては、それらの中間をゆくバランスが理想的でした。直球のトラッドでもなく、ドレス系よりも気楽に着られて、それでいてあくまで大人っぽい。そんなバランスの紺ブレが欲しかったんです。後で解説するとおり、1920年代の英国ジャケットにも通じる特徴を備えていますが、ヴィンテージ回顧というよりもあくまで“今のクラシック”を追求してたどり着いたバランスですね。(四方)
英国羊毛「チェビオット」で織り上げたホップサック生地
紺ブレの定番生地であるホップサックは、ジャパニーズ・ファブリックの名産地・尾州で織られたもの。しかしその原料である羊毛は英国産で、しかも「チェビオット」とよばれる英国純血種の羊から採れたものが使用されています。
通常、ツイードなど紡毛系の生地に向くチェビオットですが、こちらは生後初めて刈り取る羊毛のみを使用することで梳毛糸(紡績段階で短い毛を梳き取り、なめらかに仕上げた糸)を実現。実は、希少価値の高い素材が採用されています。
ほどよくゆとりをもたせたシルエットや芯地を省いたアンコン仕立てなど(ともに後述)、デザイン面ではリラックス感を意識しつつ、カジュアル専用ではなくタイドアップもできるドレス感が欲しかった。なので、生地は英国羊毛によるクラシックなホップサックを採用しました。ユルすぎない表情で、大人な本格感を表現できたと思います。(四方)
セオリー破りの“微Aライン”がトレンド感の秘訣
やや高めの位置でロールするラペルから弓なりの曲線を描き、裾のカーブを後ろ側へ逃がすカッタウェイフロントにデザインした『テムズ』。前身頃のダーツを省き、ボディに適度なゆとりをもたせる一方で、肩幅はありがちなドロップショルダーではなくジャスト幅に。
フロントボタンを開けると、ゆるやかなAラインを描き出すのが特徴。肩パッドを省きつつ、ショルダーラインの傾斜を強めに設定して“なで肩”に見せているのもポイント。これらは1920年代の英国ジャケットにも共通するデザインです。
現代のジャケットは裾先が腰を包み込むように設計するのが普通で、コートのように裾が広がるAラインはNGとされていますが、あえてそこに挑戦しました。このほうがリラックス感の高い印象に仕上がり、僕が理想とする佇まいを表現できたためです。ただ、この微Aラインは実現するのが非常に難しく、最初に上がってきたサンプルでは裾が開きすぎてアンバランスでした。そのあたりを慎重に調整したことで、絶妙なシルエットを実現できたと思います。
裏話になりますが、『テムズ』の型紙を依頼したのは業界でも有名なベテランパタンナー。こんな掟破りを受けてくれるかと不安だったのですが、逆に“普通のジャケットよりも面白そうじゃないか!”と快諾していただきました。とてもありがたかったですね。(四方)
ラペル周りは正統派クラシックに
ジャケットの顔であり、全体の印象を大きく左右するのが襟周り。『テムズ』ではゴージラインを低めに、ラペルは太めに設計し、クラシックな表情に仕上げられています。一方、ポケットは船底型にカーブさせたバルカポケットをチョイスし、曲線美が際立っています。
ドレス系やトラッド系はハイゴージでラペル細め、デザイナーズ系は極端なローゴージにデザインしているものが多いのですが、『テムズ』はそれらのいずれとも違うラペルに。ビスポークスーツに見られるような、正統派クラシックをイメージしました。このあたりも、タイドアップからカジュアルミックスまで幅広く着回せる汎用性に繋がっていると思います。(四方)
バックスタイルにも適度なリラックス感が
後ろから見ても、わずかに裾が広がる微Aラインがわかるはず。通常、テーラードジャケットには“細腹”とよばれる帯状のパーツを身頃の両脇にとりますが、『テムズ』はあえて細腹を省略。これにより、さらにシンプルでクリーンな表情に。着丈はヒップが隠れる程度に設定し、ゆとりをもたせた身幅との調和を意識したとのこと。
メタルボタンはハンドメイド
メタルボタンは大阪にある小規模ファクトリーが手がけたハンドメイド。ボタン裏側の“足”部分を四角形にすることで、縫い付けた際にボタンがキリッと直立するように仕立てられています。
一般的な紺ブレにありがちな金ボタンではなく、あえてアンティーク調のものをセレクトしました。大人らしい渋さを醸し出すとともに、金ボタンに苦手意識のある方でも着ていただきやすくなっていると思います。(四方)
チェンジポケットでさりげない英国感を
スポーティ感を高め、カジュアル使いもしやすいパッチポケット仕様。しかしよく見ると、右側のポケットが二重になっているのがわかります。
これはチェンジポケットの一種で、英国ブランドのジャケットに時折見られるディテールです。ブリティッシュメイドのブレザーということで、さりげない英国感も取り入れました。(四方)
リラックスしつつ立体美も叶えるアンコン仕立て
リラックス感を表現するため、芯地などを極力省き、身頃の裏地をゼロにしたアンコン仕立てを採用。表地をジャケットの内側まで広く伸ばした“大見返し”仕立てにより、芯地を省きつつ保形性が維持されています。
仕立ては極力軽く、が僕のイメージでした。しかし、シャツのようにペラペラしたものでは貧相。そこで、アンコンジャケットを作らせたら国内屈指と称される実力派ファクトリーに生産を依頼し、軽くても立体感のある一着に仕上げていただきました。ゆとりをもたせているのに汚いシワが入らず、ゆったりとしたドレープを描き出しているのがポイントです。(四方)
多様化する紺ブレスタイルに最適化した新機軸
既存の紺ブレには見られないシルエットやデザインを随所に採用した『テムズ』。しかしそれは、単に独自性だけを追求したものではなく、四方が感じていた紺ブレスタイルの実情にマッチさせるという目的もありました。
今の紺ブレスタイルは、いかに“ミックス”するかが鍵。BDシャツ・レジメンタイ・グレースラックスのような伝統的トラッドではなく、スウェットを合わせてみたり、ミリタリーやスポーツテイストの服でハズしてみたりと、従来の枠にとらわれない着こなしが主流になっています。とはいえ、ブレザー自体はあまり以前と変わりがない。そうなると当然、今どきなミックススタイルを実践するには相応のテクニックが必要になってきます。
たとえばあえてワンサイズアップしつつ、細部をお直しに出して調節したり、窮屈さをガマンして厚手のスウェットを無理やりインしたり。そんな難しさを解消し、今どきのミックススタイルを無理なく実践できる、アップデートされた紺ブレがあれば……と考えたことが『テムズ』の出発点となりました。多様化する今の紺ブレスタイルにぴったりな一着ができたと自負しています。(四方)
シングルブレザー『テムズ』
- 価格
- 69,300円
- カラー展開
- NAVY
- サイズ展開
- S, M, L
- 取り扱い店舗
- BRITISH MADE 全店
- リンク
- https://www.british-made.jp/c/brands/BMD00056000000
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