ユニバーサル・スタジオの英国初テーマパークが計画許可取得、『007』や『パディントン』のアトラクション構想も

Universal Studios theme park being built in the UK next year

英国および欧州でとなるユニバーサル・ブランド・テーマパークとリゾートの計画が、ベッドフォードでの建設に向けて特別開発命令による計画許可を取得しました。ロンドンやルートン空港へのアクセスに優れた元れんが工場跡地を再開発し、最大高さ約115メートルのライドを含む大型リゾートとして、2031年までの開業を目指しています。年間約800万人以上の来場が見込まれるこのプロジェクトでは、建設時と開業後を合わせて約2万8,000人規模の雇用創出が見込まれ、周辺の鉄道駅や幹線道路の整備も進められる予定です。




英国・欧州初のユニバーサル・ブランド・テーマパークが計画許可を取得

英国と欧州で初のユニバーサル・ブランドのテーマパークおよびリゾート建設計画が、ベッドフォードで進められることになりました。2025年12月16日(火)、ユニバーサル・デスティネーションズ&エクスペリエンスは、住宅・コミュニティ・地方自治省(MHCLG)による特別開発命令の承認を受けたことを発表しました。計画許可は、通常の地方レベルの審査手続を経ずに、政府が直接承認する枠組みが用いられています。

ユニバーサル側によると、今回の承認は重要なマイルストーンである一方、法定の議会審査期間を含む追加の手続きがまだ残されているとのことです。このため、正式な計画確定までには、さらに数か月程度の期間を要する可能性があります。それでも、プロジェクトは大きく前進しており、地域コミュニティや全国レベルの関係者から寄せられた意見と熱意が、計画の形成に大きく貢献したと同社は強調しています。

計画によると、このテーマパークとリゾート複合施設は年間800万人以上の来場を想定しており、ピーク時には約5万5,000人が訪れるとされています。ロンドンからのアクセスや空港との接続も考慮されており、英国全体、さらには欧州各国からの訪問先としても認知されることが期待されています。



ケンプストン・ハードウィックの元れんが工場跡地を再開発、欧州でも屈指の高さのライドも想定

計画地は、ベッドフォード南側に位置するケンプストン・ハードウィックの元れんが工場跡地です。周辺には鉄道網や幹線道路が走り、ルートン空港にも比較的近いことから、英国国内外の来場者にとってアクセスしやすい立地として選定されています。

2025年7月に公開された計画書によると、敷地内には最大約115メートルに達する構造物が想定されており、これらは欧州でも最も高いクラスのライドとなる見込みです。一方で、大部分の建築物は高さ20メートルから30メートルの範囲に収まり、一部の高い構造物が景観上のアクセントを生み出すように配置されると説明されています。

敷地内には、7000台を超える自動車駐車場に加え、長距離バスやツアーコーチ向けのスペース、自転車での来場者に対応する設備も設けられる計画です。また、テーマパークの玄関口となるエントリープラザも整備され、チケット購入や手荷物検査、待ち合わせなど、来場時の動線を整理する役割を担います。



想定される来場者体験と、人気作品を生かしたアトラクションの可能性

現時点で、具体的なライドやショーの内容は公式には発表されていませんが、関係筋からは、ジェームズ・ボンドやパディントン、指輪物語をテーマにしたアトラクションの可能性が示唆されています。これらはいずれも英国や欧州の読者にとってなじみ深い作品であり、映画や文学を軸にした没入型の体験が展開されることが期待されています。

ユニバーサル・デスティネーションズ&エクスペリエンスのニュー・ベンチャーズ部門プレジデントであるペイジ・トンプソン氏は、ベッドフォードおよび周辺コミュニティ、そしてさまざまな全国・地域レベルの関係者から寄せられた意見と熱意に対し、深い感謝を示しています。コメントでは、地域社会と継続的に意見交換を行いながら、この計画の性格を形作ってきたことが強調されています。

こうした背景から、来場者にとっては、人気作品の世界観を体感できるアトラクションやパレードに加え、英国の鉄道・空港網を利用した週末旅行や連休のレジャー先としての利用も想定しやすい環境と言えます。ロンドン観光と組み合わせた旅行プランや、英国国内の他のテーマパークとの周遊を検討する訪問者も出てくると見込まれます。



地域経済と雇用、交通インフラへの影響

ユニバーサルによると、このテーマパークとリゾートの開発によって、直接的および間接的な経済効果を合わせて約500億ポンド規模の恩恵が見込まれるとされています。金額には、観光消費、周辺ビジネスの売り上げ増加、宿泊・飲食業への波及、建設関連支出などが含まれ、英国の観光産業やクリエイティヴ産業全体への大きな後押しとなることが期待されています。

ユニバーサル側は、建設フェーズで約2万件の雇用、開業後には約8,000件の恒常的なポジションを生み出し、その約8割を地域の人材で賄う方針を示しています。セントラル・ベッドフォードシャー・カウンシルのインディペンデントリーダーであるアダム・ザーニー氏も、このプロジェクトが新たな雇用をもたらし、地域ビジネスの収入増につながると述べています。

交通面では、ウィクサムズ駅の拡張やA421からの新たなスリップロード整備などが計画に含まれています。ウィクサムズ新駅は2024年8月に着工しましたが、ユニバーサルの計画に対応するため、より規模の大きい駅として再設計するために一時中断されていました。また、イースト・ウェスト・レイル・カンパニーは、スチュワートビーに新駅を設け、テーマパーク来場者の利便性を高める方針を示しています。



日本からの訪問を考える旅行者へのポイントと今後の見通し

ユニバーサルの欧州初テーマパークは、2031年までの開業を目標としています。日本から訪れる旅行者にとっては、既存のユニバーサル・スタジオ・ジャパンや米国のパークとは異なる、英国ならではの作品やロケーションを楽しめる新たな渡航先として注目される可能性があります。

立地はロンドンから鉄道でアクセスできる範囲にあり、ロンドン観光と組み合わせた周遊プランが立てやすいことも特徴です。例えば、ロンドン市内観光とこのテーマパーク、さらにイングランド各地の歴史的スポットを組み合わせることで、英国文化とエンターテインメントの双方を楽しむ旅程を組むことができます。

現時点ではチケット価格やホテル棟の有無、詳細なオープン時期は明らかになっていませんが、ベッドフォード周辺では宿泊施設や交通の需要増が見込まれており、今後数年のうちに具体的な整備計画が順次公表されると考えられます。最新情報は、プロジェクトの公式サイトで随時更新される予定です。開業までの期間も、鉄道駅や道路の整備状況、ライドの内容発表など、注目すべきニュースが続きそうです。

 

Link

https://universalukproject.co.uk/

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