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能登の被災木材が英国の高級工芸ブランド「リンリー」によってトロフィーに。FT日経 UK駅伝が石川県と連携

能登半島地震で倒壊した家屋の木材が、英国の高級工芸ブランドの手で優勝トロフィーへと生まれ変わります。6月12日(金)に英国・ウィンザー〜レディング間で開催される「FT日経 UK駅伝(FT Nikkei UK Ekiden)」では、石川県と連携し、被災木材を活用したトロフィー制作や石川県の学生2名の招待など、能登の復興支援と日英文化交流を同時に推進します。
能登の木材が英国で「金栗カップ」へ

6月2日(火)に発表されたトロフィーは、能登半島地震で倒壊した家屋の梁を土台に再利用した特別仕様です。制作を担うのは、チャールズ3世国王陛下の従兄弟であるデイビッド・リンリー氏が率いる英国の高級工芸ブランド、リンリー(LINLEY)。能登で被災した木材が、英国のクラフトマンシップによって新たな形へと生まれ変わり、企業・コミュニティ対抗部門の勝者へと受け継がれます。
このトロフィーは、日本の駅伝・マラソンに多大な影響を与えた金栗四三氏への敬意を込め、「金栗カップ」と命名されました。能登の木材は、建築・デザイン事務所クライン ダイサム アーキテクツ(KDa)の協力により、地元住民を通じて寄付されたものです。KDaは震災発生以降、石川県の復興支援に継続的に取り組んでいます。
石川県の学生2名が英国で駅伝を走る
大会では、石川県の大学生2名が日英交流プログラムの一環として英国に招待されます。金沢工業大学4年の六角颯琉さんと、金沢大学4年の出雲千聖さんが参加予定で、いずれも初めての海外渡航となります。北信越学生陸上競技連盟会長・大森重宜氏を中心とした連携によって実現した招待です。
ふたりは英国での駅伝参加を通じ、地元の大学生や地域住民と交流しながら、石川県・能登の魅力や震災後の復興状況を英国の人々に伝える予定です。六角さんは「石川県の魅力や、震災後の復興に向けた今の状況についても、イギリスの方々に少しでも知っていただけたら嬉しいです」とコメントしています。
能登復興支援と被災地の詩をメダルに刻印

狼煙のみんなの家 ©松田咲香
UK駅伝は大会収益の一部を、建築家・伊東豊雄氏が設立した「みんなの家(Home for All)」の復興支援プロジェクトと連携する、珠洲市飯田町を拠点としたNPOガクソーへ寄付します。同NPOは地域住民の交流拠点「みんなの家」の整備、地域コミュニティ再生支援、子供たちへの居場所の提供などに取り組んでいます。
また、ガクソーより提供された能登の詩が大会メダルに刻印される予定です。
- 風雪を聴き 言葉を襷に 春を編んでいく
- With the wind and snow / Words become the passing sash / As we weave the spring
自然への畏敬、受け渡される襷、時間の移ろいを詠んだこの詩は、復興の途上にある能登の今を象徴する言葉として、参加者の手元に残ります。
石川の伝統工芸と食文化も英国へ

大会当日は、石川県の伝統工芸・食文化を紹介するコーナーが設置される予定です。入賞賞品には山中温泉の「白鷺木工」による木のカップが贈呈されるほか、金沢箔の小物や和紙カードケースなどの伝産品も提供されます。参加者への配布品としては、石川県のソウルフードとも呼ばれる北陸製菓の「ビーバー」が用意されます。
紹介コーナーには石川県、日本航空、WAJOYなどが協力し、能登復興の現状、伝統工芸、食文化、観光資源、学生交流といった多面的な情報を英国の参加者・観客に届けます。英国の地でこれほど体系的に石川の文化を紹介する機会は異例で、海外における石川県の認知向上につながる取り組みとして注目されます。
アンナ・ディングリー代表「能登への思いを国境を越えて」

アンナ・ディングリー代表
Ekiden Group Ltd. 創設者のアンナ・ディングリー氏は、「昨年の鹿児島県に引き続き、今年は石川県との取り組みができることを嬉しく思っています。石川県は、UK駅伝が始まった年に能登半島地震が発生したことから、UK駅伝としても2024年から寄付活動を行ったりと、復興支援に心を寄せてきました。この度、石川県の魅力をぜひ英国の人にも知ってもらいたいですし、学生ふたりを招待するなど、能登への思いを国境を越えて英国に届ける手伝いができることを嬉しく思っています」とコメントしています。
UK駅伝は、単なるスポーツイベントを超えた日英文化交流イベントとしての側面も持ち、毎年、日本の一つの都道府県に焦点を当て、その地域の文化、歴史、食、工芸、人々の魅力を英国へ紹介しています。
FT日経 UK駅伝とは?英国唯一の本格的な駅伝大会

「FT日経 UK駅伝」は、日本発祥の長距離リレー競技「駅伝」を英国で展開する国際スポーツイベントです。今年で第3回を迎える2026年大会は、6月12日(金)にウィンザーからレディングにかけてのテムズ川沿い約112kmを舞台に開催されます。国外唯一の本格的な大学駅伝として、大学対抗部門17チーム、企業・コミュニティ対抗部門18チームが参加予定です。
1チームは男女混合10名(男子5名・女子5名)で編成されます。2024年の第1回大会は日本で第100回箱根駅伝が開催された節目の年に行われ、同年に発生した能登半島地震との結びつきから、初年度より復興支援への取り組みが続けられてきました。2025年には鹿児島県と連携し、薩摩藩英国留学生160周年記念をきっかけに鹿児島の魅力を英国へ伝えており、毎年ひとつの都道府県にフォーカスする文化交流プラットフォームとしての役割も定着しています。
Text by British Culture in Japan編集部
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