WH Smithがハイストリートから消える：投資会社に約147億で売却

英国の老舗小売チェーンWH Smithが、ハイストリート店舗を76百万ポンド（約147億3,640万円）で投資会社のModella Capitalに売却し、ブランド名を「TGJones」に変更することが発表されました。233年にわたって英国のハイストリートで営業を続けてきた歴史に幕が下ろされます。

WH Smithとは？その歴史と影響

WH Smithは233年の歴史を持つ英国の老舗小売チェーンです。世界初の小売チェーンとして知られ、国際的な書籍番号システム（ISBN）の創設にも関わるなど、小売業界に多くの革新をもたらしてきました。店舗では書籍や文房具、雑誌だけでなく、郵便局やギフトカードなど幅広いサービスを提供しており、英国民の日常生活に密接に関わってきた存在です。

売却先：Modella Capitalとは？

WH Smithのハイストリート店舗は、英国の投資会社Modella Capitalに76百万ポンドで売却されました。Modella Capitalは困難な状況にある企業を再建する専門性を持つ投資会社であり、これまでにHobbycraftやThe Original Factory Shopなど複数の小売業者を所有してきました。同社は新しい経営戦略によって企業価値向上を目指しており、「TGJones」として再出発する店舗にも新しい商品ラインやサービスを導入する計画で、約480店舗と5千人の従業員が引き継がれます。

ハイストリート店舗売却の背景

WH Smithは空港や駅、病院での店舗への集中を図るため、ハイストリート店舗事業を手放す決断を下しました。同社の収益の75％以上が旅行関連店舗から得られており、この分野での国際的な成長を加速させるための戦略的な動きです。今回の売却により、ハイストリートでの「WH Smith」ブランド名は消滅し、新たに「TGJones」として再出発することが決定されました。なお、空港や駅、病院などでの店舗は引き続き、WH Smithとして営業を継続します。

WH Smithのハイストリート店舗売却と新ブランド「TGJones」の誕生は、小売業界における歴史的な転換点となります。この決定は旅行関連店舗への集中という戦略的な動きであり、新オーナーModella Capitalによる今後の展開にも期待が寄せられています。