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サマセットのニュート(The Newt in Somerset)へ日帰り旅行② ガーデン・ツアー
ロンドン在住のフリーランスライター、近藤麻美さんによるロンドンを中心に英国にまつわるカルチャー全般を現地から発信する連載「近藤麻美のカルチュラル・ウォーク in London」の第4回目を公開! 今回はイングランド南西部のサマセット州にあるラグジュアリーホテル・エステート「ニュート(The Newt in Somerset)」を2022年に訪問した際の記事を再掲。その2回目はガーデン・ツアーを紹介します。
The Newt in Somersetへの『Great Garden Escape』体験記、2回目はガーデン・ツアーです。

リフレッシュメントで美味しいアップル・ジュースを頂いたあとは、ガーデン・ツアーに出発です。

カール・リンナエウス(スウェーデンの生物学者、植物学者):それまでに知られていた動植物についての情報を整理して分類表を作り、その著作『自然の体系』(Systema Naturae、1735年)において、生物分類を体系化したため、「分類学の父」と称される。

今回、ツアーのガイドをしてくれたアーサー。熱心に、ジョークを交えながら説明してくれました。ちなみに、この奥に見えるガーデン・カフェでこの後ランチを頂きます。

イングランドにおける、ガーデンの歴史は1690年代にまで遡ります。17世紀のガーデンのデザインや植栽はヨーロッパの影響を受けているそうです。

サマセットはアップルのカウンティー(州)です。

地面に注目! なんと貝殻です。ランカシャーのMorecambe Bayのアダプテーションなのです。

こちらはグロスターシャーのアダプテーション。ドライストーン・ウォールが特徴です。


美しいベゴニアですが……、

アーサーがおもむろにベゴニアの花びらを食べるではないですか! ええっ!? と思ってみていると、少し酸味があって美味しいよというので、私もトライ。確かに少しzingyですが、食べられないことはない、そのお味にびっくりしました。

イギリスは熱波もあり、雨不足が続いていますが、芝が多少伸びても、雨が降るまでは絶対に刈ってはいけない、とのこと。乾燥してながらも草はモイスチャーをとどめておこうとしているのに、それを刈ってしまうと、その最小限に残った水分が抜けてしまうのだそう。刈ってしまうと、そのせいで草が弱り、病気になってしまうのですって! これは、垣根にも言えることらしく、雨が降って十分に水分を吸収するまでは、そのまま、伸びたいように育てるのがベストとのこと。


mallow(マロウ)なんとみごとな瓜!

色の変わったものから……、

こんなに長いのもありました。

チャード。

葱(リーク)。

フィグ(イチジク)。イチジクは花が実の中にあるため、とても小さな蜂が実の中に入って受粉するのですって! ゲストのひとりが「じゃあその蜂は受粉した後どこに行くの?」と訊くと「中ですでに死んでる。みんなそれを食べているんだよ。小さいから気づかないよ」と言って、アーサーは説明に使ったイチジクをパクリ!!


こちらの池には、newt(ヤモリ)の幼体がいました。

鶏も平和に太陽を楽しんでいます。


なんと、こちらの葉っぱも食べれるんだよ~、とアーサーが言うので、また半信半疑で食べてみたら、彼の言う通り、バナナの味が! 不思議な体験です。

Lady Britannia のペニー(1ペンス幣)が埋め込まれています。1900年、ヴィクトリア時代のものです。

16億年前、まだここが海の底だった時のアンモナイト!

ドライフラワー。

サマセットのこの地域は、サマセット・レベルと呼ばれる低地にあるため、昔は洪水の影響を受け湿地でした。また、アーサー王物語とアヴァロン伝説もこの地域に根付いたものです。5世紀後半から6世紀前半にかけてサクソン人と戦って大帝国を築いたと伝えられるアーサー王ですが、妻のグィネヴィア王妃がサマセットの王に誘拐されてグラストンベリー・トーの牢獄に閉じ込められていたところを救い出したというお話があります。 また、アーサー王伝説に登場する伝説の島・アヴァロンをグラストンベリー・トーに同定する説もあり、12世紀末にはアーサー王とグィネヴィア王妃の遺体とされる骨や棺が発掘され、修道院に埋葬されたという説も。なかなか興味深いお話をアーサーが身振り手振りのドラマ仕立てで説明してくれました。




森を抜けて、ファームヤードへ。

ファームヤードのカフェ。

ザ・ニュートは今年5月にロンドンで開催された、チェルシー・フラワーショーのメイン・スポンサーを務めました。ここでは、その時の展示物の一部を見ることができます。世界各国の庭の特徴を展示したブースもあったのですが、もちろん日本もありました。

畳の部屋も。

こちらもチェルシー・フラワーショーにありました。ポンプを押すと、植物の匂いが出てきて、その植物が何なのかを当てるというクイズ形式でした。
ファームヤードをでは日本語案内のオーディオガイドもあります。
そろそろお腹が空いてきました。
ゆっくりとメインサイトへ戻りましょう。

大きな胡桃の木の下をくぐって。実がついているのが見えますか?

ドライ・ストーン・ウォール。

pomegranate(ザクロ)の木。

オリーブの木。樹齢700年ですって!
これで、ガーデン・ツアーは終了です。いろいろな知識が身についた、楽しい散歩でした。
「サマセットのニュート(The Newt in Somerset)へ日帰り旅行③ ガーデンカフェでランチ」に続く
ニュート(The Newt in Somerset)とは?

ニュート(The Newt in Somerset)は、イングランド南西部サマセット州にある世界的に注目されているラグジュアリーホテル・エステートです。2019年に開業したこの施設は、17世紀に建てられたジョージアン様式の邸宅(ハドスペン・ハウス)を中心とした、まさに「村」のような規模を持つ宿泊施設として知られています。
圧倒的なスケールと自然環境

ニュートの最大の特徴は、その800エーカー(約4平方キロメートル)という広大な敷地です。この敷地内には美しい庭園、農場、果樹園、森林地帯が広がり、ゲストは自然豊かな環境の中でゆったりとした時間を過ごすことができます。
ホテル名の「Newt(ニュート)」は、敷地内に生息する希少種のイモリ約2,000匹に由来しており、現オーナーのホブハウス家が長年にわたってこれらのイモリを保護してきたことに敬意を込めて名付けられました。
世界的な評価

開業からわずか数年で、ニュートは数々の国際的な賞を受賞しています:
– 2023年「世界のベストホテル50」第37位
– 「Carlo Alberto Best Boutique Hotel Award 2023」受賞
– 『Condé Nast Traveler』Gold List選出
– 2025年「Southwest England’s Hotel of the Year」受賞
多彩な施設とアクティビティ
庭園と農場

数世紀にわたって専門家が管理してきた「園芸の聖地」として知られる庭園では、バロック様式からビクトリアン様式まで、イギリスの庭園史を辿ることができます。レストランで使用される野菜や果物、ハーブを育てる菜園も併設されています。
スパとウェルネス

ドライサウナ、スチームサウナ、大理石を贅沢に使ったハマム(トルコ式浴場)、プールなどの充実したスパ施設を完備しています。
レストランとダイニング

敷地内で採れた新鮮な野菜を使った料理を提供するレストランや、薪料理を楽しめる「ファームヤード・キッチン」、英国式アフタヌーンティーを味わえるカフェなど、多様なダイニングオプションがあります。
アクセス方法
| 交通手段 | 最寄り駅・バス停 | 路線名 | 徒歩での所要時間(目安) |
|---|---|---|---|
| 鉄道 | キャッスル・キャリー駅(Castle Cary) | ロンドン・パディントン駅発 グレート・ウェスタン・レイルウェイ |
専用バスで約10分 |
| 車 | ニュートへ直接アクセス | ロンドンから約2時間30分 (途中ストーンヘンジ・バース経由可) |
駐車場から徒歩すぐ |
| 専用バス | キャッスル・キャリー駅 | ニュート専用送迎バス | バス停から徒歩すぐ |
ニュートは単なるホテルを超えた、イギリスの歴史と自然、サステナブルな農業、職人によるものづくりを大切にする総合的なエステート体験を提供する施設として、世界の富裕層や旅行愛好家から高い評価を受けています。
■近藤麻美
99年に渡英。英国のニュース、海外ドラマ、イギリス生活、食、教育、音楽、映画、演劇、歴史、ファッション、アートなど、英国にまつわる文化の多岐に渡る記事を執筆している。
linktr.ee/mamikondohartley
ご連絡は、mamikondohartley@gmail.comまで。
X:https://x.com/mami_hartley
Instagram:https://www.instagram.com/mamimoonismine
note:https://note.com/mamikondo_london
Link
https://thenewtinsomerset.com/
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