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ブリティッシュ・エアウェイズが全便全クラスで無料Starlink Wi-Fiを2026年より導入
ブリティッシュ・エアウェイズ(British Airways)は、2026年から全客室でStarlinkによる無料Wi-Fiサービスを開始すると発表。SpaceXが運用する低軌道衛星インターネットStarlinkを導入することで、乗客は搭乗ゲートから到着ゲートまで高速接続を利用でき、動画ストリーミングや複数デバイスでの同時接続が可能になります。この取り組みは同社が進める70億ポンド(約1兆4000億円)規模の変革プログラムの一環として位置づけられています。
2026年開始の無料Wi-Fi、全客室で利用可能に

ブリティッシュ・エアウェイズは2026年から本格的な導入を開始し、最終的にはすべての長距離便・短距離便の機材にStarlinkを搭載する計画を明らかにしました。導入完了後は、エコノミーからファーストクラスまでのすべての乗客が、特別なログイン操作なしで複数のデバイスを同時接続できるようになります。現在、同社のほぼすべての機材で既存のWi-Fiサービスが提供されていますが、使用は有料で、ゴールドゲストリストメンバーも含めて課金対象となっています。Starlink導入後は速度が大幅に向上し、すべての乗客が無料で利用できる点が大きな変化と言えます。搭乗ゲートから到着ゲートまで常時接続可能なゲート・ツー・ゲート方式により、離陸前から着陸後まで途切れることなくインターネットにアクセスできるようになります。
CEOコメント──短距離便で競合との明確な差別化
同社のショーン・ドイル(Sean Doyle)会長兼最高経営責任者は、Starlinkの導入について「顧客体験の変革に引き続き注力する上で、長距離便と短距離便の両方にStarlinkを導入することは画期的」と述べ、特に短距離便では競合他社との明確な差別化になると強調しました。ドイルCEOはさらに「Starlink搭載のWi-Fiにより、乗客は搭乗の瞬間から着陸までシームレスに接続でき、海洋上空や遠隔地域でも家にいるような低遅延のインターネットを38000フィートの高度で体験できます」と語りました。同社は2024年に70億ポンドの変革プログラムを発表して以来、定時運航率の向上や顧客満足度の改善を実現しており、機内サービス、ラウンジ、機内食、搭乗手続きなど多岐にわたる評価が継続的に向上しています。
Starlinkとは──低軌道衛星が実現する次世代接続
Starlinkは、SpaceXが運用する世界最先端の低軌道衛星コンステレーションを活用したインターネットサービス。従来の衛星と比べて地球に近い軌道を周回するため、遠洋や遠隔地でもより高速で安定した接続を実現しています。ブリティッシュ・エアウェイズは全客室で無料提供することにより、動画のライヴ配信、オンラインゲーム、ネットショッピング、仕事など、地上と同等の通信体験が期待できる環境を整えます。SpaceXは世界有数のロケット打ち上げサービス提供企業であり、軌道上運用の豊富な実績を持つ唯一の再使用可能な軌道クラスロケット企業でもあるため、技術的信頼性が高い点も導入の決め手となりました。
70億ポンドの変革プログラムが実現した成果
ブリティッシュ・エアウェイズは変革プログラム開始以降、1000を超える改善・投資施策を実行してきました。2023年以降、新型機材36機を受領し、マイアミとドバイには新コンセプトのラウンジを開設したほか、シアトル、ワシントン、シンガポール、グラスゴー、ガトウィックを含む計15ラウンジを全面改装。また、英国製素材とデザイナーによる新型座席を搭載したエアバスA320neo短距離機17機を導入し、AI・機械学習技術を活用したデータ駆動型の運航管理と予測保守プログラムにより、記録的な定時出発率を達成しています。ヒースロー空港での運航トラブル時には、デジタル式の飲食・宿泊バウチャーの提供や、より明確で頻繁な顧客コミュニケーションの実現により、顧客体験の向上も図られています。2026年にはさらに、最も広く長いシートとベッド、32インチ4Kテレビ、調整可能なムード照明を備えた新型ファーストスイートやボーイング787-10の新規導入、新アプリのリリースが予定されています。
- マイアミとドバイの新コンセプトラウンジ開設
- 15ラウンジの全面改装(シアトル、ワシントン、シンガポール、グラスゴー、ガトウィック)
- 17機の新型A320neo短距離機を導入、英国製素材と英国デザイナーによる座席装備
- 2023年以降36機の新型機材を受領
- AI・機械学習による運航管理と予測保守プログラムで記録的な定時出発率を達成(2025年は81%が15分以内に出発)
- ヒースロー空港でのトラブル時にデジタル式飲食・宿泊バウチャーの提供を開始
航空業界で加速するStarlink導入の潮流
ブリティッシュ・エアウェイズの親会社インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は、同グループ傘下のエアリンガス、イベリア航空、LEVEL、ヴエリング航空でも同様にStarlinkを導入する契約をSpaceXと締結しました。IAGは2024年12月末時点で601機を保有しており、今後退役予定のない機材すべてにStarlinkを搭載する計画です。世界的にはエールフランス、airBaltic、ニュージーランド航空、ハワイアン航空、カタール航空、スカンジナビア航空、ユナイテッド航空、ヴァージン・アトランティック航空、ウェストジェットなど多数の航空会社がStarlink導入計画を発表しており、今後2~3年で機内インターネット環境が大きく変化する見込みです。Starlinkの利点のひとつは、機材認証が完了すれば比較的短期間で設置可能な点にあります。
IAGグループ全体で進む無料高速Wi-Fiの実現
ブリティッシュ・エアウェイズのStarlink導入は、IAGグループ全体の方針として進められており、グループ傘下の航空会社が長距離・短距離路線で運用するボーイングおよびエアバス機材、合計500機以上に順次搭載される計画です。ただし、具体的な導入スケジュールや対象機材の詳細についてはまだ公表されておらず、IAGは「各航空会社ごとに実施計画が異なり、詳細が確定次第発表する」と説明しています。同社は250機を超える大規模な機材を保有しているため、全機への装備完了までにはある程度の期間を要する見通しです。導入が完了すれば、欧州を代表する航空グループとして、競合他社との差別化を図る大きな武器となるでしょう。Starlink導入により、顧客は空港ラウンジから機内、到着後まで一貫した高速インターネット体験を得られるようになり、航空旅行の利便性が飛躍的に向上すると期待されています。
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https://www.britishairways.com/travel/home/public/ja_jp/
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